ショート
□拍手
3ページ/6ページ
本山裕史について
山ノ井の場合
本やんは、すごい良い奴だと思う。
気が利くし、女性に対して誉め言葉も恥かしげなく使うし、友達としてはノリがいいから一緒に弾けやすいし。
だから、まぁ。
大事な外野手仲間のマサヤンの相手でも、まぁ許してやれる。
……うん。許してやれる。
だってキガキクシ、ノリイイシ、エートそれから…それから…
「山ちゃん?そんな気遣ってくれなくてもいいって」
ふにゃり笑う本やんに、俺は眉間の皺が深くなるのを感じた。
…こうやって、恋人の友達にまで気を配れるし。
わかっては、…いるんだけどなぁ。
「やま、」ガッツン
本やんがなんか言いかけてたけど、ムシして思いっきり股間を蹴り上げてやった。
声も出せず踞る本やんを、俺は立ったままの姿勢で見下ろした。
「…山ちゃん。アナタ様はオレに恨みがあるのでしょうか…」
「何も恨んでないよ」
妬んではいるけどねっ
こんな時まで怒らない、本やんは本当に良い奴。
(だけどそれ以上に俺たちのマサヤンを奪った罪は重いっ!)
20100301~20100904