novel
□セイクロ外伝(読み切り)
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一人じゃろくに喧嘩もできないクズが……
「こッの……ウゥゥゥゥゥゥ…」
首を絞められているためか、突然俺は頭の中が真っ白になった。
すると頭のなかに声が聞こえる。
―身体をかがめて体重をおもいっきり下にかけろ―
言われたとおりにすると後ろの男子生徒が体制を崩し、俺の上に覆いかぶさってきた。
―次は逆に思いっきり立ち上がれ―
今度も言われたとおりにする。
面白いように軽々と男子生徒が持ち上がった。
―そのまま投げ飛ばせ―
男子生徒は情けない悲鳴とともに床に崩れ去った。
―さぁ、叫べ、弱いやつを護れ、おまえはクズに負けちゃいけない―
「ウゥゥゥゥゥ……ガァァァァァァッ!!」
それから先のことは何にも覚えちゃいない。
ただ気がついたら、小川中学校の職員室で担任から大目玉をくらってた、というだけ…
けど、よく考えれば、あれ以来俺自身が危なくなっても頭の中に「あの声」は聞こえてこなかった。
まぁ、それ以降は俺が鍛えたこともあって、なんせ喧嘩無敗だったわけなのだが。
どうすればどう身体が動くとか、どうしたら相手の体が崩れるか、なんてことをずっと考えていたこともあって、剣道以外特に武術を習わなくても基本から我流で発展させた。
これでも俺だって小さい頃ヒーローに憧れた一人だ。
小さい頃ずっとテレビの前にかじりついて、悪を倒し、人々を守る正義のヒーローに夢中だった。
―だから俺も負けねぇ、自分自身の正義を貫いて生きていくって決めたんだ―
なんて、ちょっとカッコつけすぎただろうか?
まぁ、でもそんな感じの俺の中学時代。
まさかホントにヒーローみたいに悪人どもと闘うことになるなんて思ってもみなかったけど……
さぁ、これよりセイバーズ、『不死身のマジシャン』城宮静哲のショーの幕明けでございます……
セイバークロニクルhigh 外伝『Double-Action ”CLAW-FORM”』
To be continued…
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