novel
□Under Ground〜序章〜
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数十分後食卓にそのものは姿を現した。スカートもリボンもすっかりしわだらけによれているミーナと共に。
「……――。またしても、キサマは使用人に手を出したのか」
食事に座っている厳粛な面持ちの老人が口を開いた。
口元は立派で壮大なヒゲに覆われ、口の動きがとらえ辛い。
「まぁパパと違って若いからね」
悪びれる様子もない。
「この愚か者め…キサマの朝食はすでに下げさせておいたからな。飯ではなく女でも喰らっておれ。そんなに好きならばな。」
嫌味ったらしく言い残した老人は席を立った。おそらく、父なのだろう。
つまりは家の主ということである。
「あのクソジジィ…言われなくてもそうするさ。ミーナ!!」
軽く指を鳴らすと、ミーナは少しためらった。
「どうした?ミーナ、奴隷部屋に行くぞ?」
「――様…、その〜、この間『壊した』奴隷が最後ですぅ…」
なんとも人道離れた会話である。
「そうか…じゃあ久しぶりに狩りに行くか。『アンダーグラウンド』どもを」
ミーナは男の不気味な笑いを目にした。