Novel2

□What a fool I am !
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ジョーカを引くのは誰?


















【What a fool I am !】



















「帝人君俺とトランプしない?」


鏡が無いから分からないが僕は今凄く嫌な顔をしてるだろう。
大体なんで臨也さんが僕の部屋にいる上にあまつさえなんで紅茶を我がもの顔で飲んでいるんだろうか。


「臨也さんなんで僕の部屋に居るんですか」
「この前恋人の俺に合鍵くれたのに…忘れたのかい帝人君。」
「臨也さんに合鍵あげた覚えがないんですけど…、それに恋人ってなんですか。」
「ジョークだってば」

僕が睨み付ければ降参する時の様に両手をあげる臨也さん。




この人本当に苦手だ。
僕は臨也さんを見ながら思わず溜め息を吐く。
そんな僕を知ってか知らずか(多分臨也さんは知ってるのに敢えて無視しているんだろう)ニコニコ笑いながらトランプをどこからともなく取り出し裏側にしながらバラバラにして床に並べてゆく。


多分全部裏側にしているから神経衰弱だと想うけど…。


「まだやるとも言って無いのに人の家で勝手にトランプ並べないで下さいよ。」
「帝人君冷たいなぁ…あっそうだ!じゃあこれならどう?」


臨也さんは人差し指を僕の目の前に突出してさっきまでの笑顔とはまた違う妖艶な笑みで僕に語り掛ける。


「この神経衰弱で俺に勝てたら何でも言うこと聞いてあげるよ?」
「言うこと…―?何でも良いんですか?」

僕は少し首を傾けながら臨也さんを盗み見る。

「勿論可愛い帝人君の為なら何でも聞いてあげるよ。」
「可愛いの言葉何一ついらないですけど…じゃあこの前見つけた高級料理店で奢って貰えたりします…?」

まさか、ね。と想いながらも冗談らしく答えれば臨也さんはそんな程度で良いの?と逆に首を傾げ始める。



本当に…―?!



僕が静かに拳を握り締めると臨也さんは楽しそうにトランプのケースを手で弄りながら僕の耳元で小さく呟いた。


「逆に俺が勝ったら何でも言うこと聞いてね?」


ゾクゾクする声色に僕は一緒頭の中から不安が浮き出て来たがたかが神経衰弱だし、それにこの勝負は五分五分なんだから大丈夫だ自分で自分を励ましてみた。




臨也さんはニコニコ笑いながらじゃあ俺からカードめくるね?と良いながら一枚目のカードをめくった。



































「…嘘…。」


僕は目を見開きながら臨也さんを見る。
臨也さんは手にしていたカードを落とすとニヤニヤと笑いながら僕の方を見る。


「俺が19組で帝人君が7組だから俺の勝ちだよね。」
「…いやいやいやいやいや!有り得ませんから!!」

僕は7組のカードを盛大に放り投げながらも頭をブンブンと横に振る。
「負けたからって駄々捏ねないでよ。」
「駄々捏ねてませんよ!臨也さん何かズルしてませんよね?!」
「疑うなんて酷いなぁ…カード見てみれば?」

自分でばらまいたカードを拾って見て見るがそれらしきモノは何一つも無い、僕は涙目になりながらも恐る恐る臨也さんを見る。

















「さて、とりあえず帝人君は俺のマンションに行こうね?」














今まで見たことないような臨也さんの楽しそうな笑顔。





僕は頭の片隅であの時止めておけば良かったと後悔した。













…―もう遅いのだが。




















【What a fool I am !】

愚か者は愚か者に笑われて。
























アトガキ

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