捧げ物
□かさなる影
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「神楽ァァァ!!!夕飯できたから帰って来いィィ!!!」
銀時の声が夕焼けの空に響くと神楽が顔を輝かしてその声のする方に走り出し、後姿で俺に手を振る。
「じゃ、またナ!」
神楽に抱きつかれた銀時は少し苦笑いで俺に顔を向けて、俺を寂しくさせるんだ。
これがいつもの、別れ方。
でも今日は違った。
いつまでたっても銀時の声なんてしない。
乱闘中にもふとした時暗い顔をする神楽に、総悟は気づいていた。
銀時がいないと神楽はここまで変わってしまう事に少し嫉妬を覚える。
…そう、全ては妖刀紅桜から始まったのだ。