小説

□聖夜、静寂、寒空。
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聖夜。
こんな日のプレゼントは、
神聖なモノがいい。

静寂。
こんな日のプレゼントは、
少し我が儘なモノがいい。

寒空。
こんな日のプレゼントは、
温かいモノがいい。

こんな理由を並べても結局は大好きなモノがいい。

だから、プレゼントはお前を希望します。





聖夜。
こんな日のプレゼントが、
こんな神聖じゃないモノでいいのか。

静寂。
こんな日のプレゼントが、
こんなに我が儘なモノでいいのか。

寒空。
こんな日のプレゼントが、
ただ温かいだけのモノでいいのか。

そんな理由を並べても結局は俺に当て嵌まってない。

だから、プレゼントは俺じゃ駄目だ。





聖夜。
お前程純情で可愛い天使が
他にいるとでも思うか。

静寂。
お前程ツンデレという言葉の似合う人が
他にいるとでも思うか。

寒空。
お前程温くて愛しい者が
他にいるとでも思うか。

こんな理由を並べてもきっとお前は納得してくれない。

それでも、プレゼントはお前を希望します。





聖夜。
天使なんかじゃねぇ、堕天使だ。
こんな汚れた俺が好きなのか。

静寂。
俺は少し所じゃなく勝手だぞ。
こんな我が儘な俺が好きなのか。

寒空。
俺はそんなに温かい訳じゃない。
こんな冷たい俺が好きなのか。

そんな言い訳を並べても結局は嬉しく思う自分。

だから、認めないけれどプレゼントは希望通り俺にしてやる。





浅はかな俺は、抱きしめられる事を期待して、薄めの着物を着て行く。

その方が密着できる、とか、いつまでもくっついていられる、とか。

そんな甘い妄想に胸を温かくさせて、お前に会いに行く。



プレゼントは大事にしろよ、と抱き着いて、抱きしめられて、

初めて愛を確認するんだ。



聖なる夜に。







end
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