小説
□LOVE SYNDROME
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俺の口は素直じゃないから本当の事など言えやしない。
だから言葉に想いを乗せて。
LOVE SYNDROME
「土方死ねコノヤロー」
土方さんの頭スレスレに弾が飛ぶようにバズーカをぶっ放す。
弾は土方さんの頭を掠り、若干焦げ臭い臭いが鼻についた。
「総悟…てめェ……!」
ほら、いつもの通り突っ掛かってくる。というより、そうじゃなきゃ困る。俺は土方さんに構ってほしくてやってるから。
土方さんは女は勿論、男からもモテるから、構って貰えるだけで俺は幸せなんでィ。
近藤さんはストーカーで忙しい。つまり、土方さんとじゃれ合えるのは俺だけ。
最高の至福の時。
なんってったって、俺は土方さんが好きだからだ。
ちょっと待てィ。俺はホモって訳じゃねィぜ?兄が居たらこんな感じかなって奴でして。
近藤さんは甘やかしてくれていたけど、もうこんな歳だし、恥ずかしい。
だから俺は土方さんを選んだ。あの人は思っていない振りをして、とっても優しい人だから。
あの人は無言で甘やかす。甘さといったら特上。宇治銀時丼と同じくらいの甘さ。
いつの間にか、好きだった。
道場に居た時は姉上が居たからムカつく奴だったけど、最近になって土方さんが姉上に取られそうだったからムカついていたとわかったし。
俺の周りで兄、なんて言えるのは土方さんだけだ。
真選組では無論、そんな奴いねェ。
旦那は何もかもが見透かされてる気がして、怖い。
あの眼鏡は論外。話すとき、向こうは震えてやらァ。
まぁそんな訳で俺の土方さんへの愛は伝わっただろうか?
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