小説
□White Strawberry
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今日はホワイトクリスマス(といってもイヴでさァ)。
雪は少ししか降っていないのに案外寒い。
こんな日に巡回なんてやってられっかよ。
という事で総悟はいつもと同じ様に巡回という名の散歩をしていた。
「イチゴっ♪イチゴっ♪」
フと目を上げると、チャイナと旦那が居た。
赤らんでいる神楽の頬。
マフラーに顔をうずめている。
可愛い…。
チャイナはいかにも嬉しいというようにスキップをしている。
片手は、旦那の手をしっかり握りしめて。
一時は舞い上がった総悟の気持ちも沈んでいった。
なんだってんだィ。オレの入れる隙間なんてちっともありゃしねィ。
妙にうざったい気分になった。
あぁ、気分わりィ…。
「総一郎君、発見。」
旦那はオレに気がつくと、すぐにチャイナの手を離した。そっけない言い方をしてるが、顔が真っ赤なのがバレバレだ。
「旦那じゃないですかィ。顔が真っ赤ですゼ。なんか良いことでもあったんですか?」
こういう時に意地悪をしたくなるのが、サドの本能でしてねィ。
「あふかっ!」
あほかと言いたかったのだろう
噛んでやがる
「あん?チャイナ?旦那の身体がチャイナって呼んでる?おーいチャイナ娘。旦那の身体が呼んでるんでィ」
「呼んでなんかナイっ!」
「なにヨ。呼んでんのか?ってかキモいネ。身体が呼んでる?性欲押さえられない中学二…もごもご…」
「女の子がそんなこと言っちゃいけません!」
チャイナの言葉は旦那によってふさがれた。
旦那は少しオレの方を見てからプイと視線をそらした。
ドS精神が疼くんでィ
「こころの叫びが聞こえるよぉ〜とーちゃ〜ん。こころが『神楽ちゃんのこと、スキぃ』って泣いてるよ〜。」
「…ッばかぁ!」
照れてる照れてる〜
「総ッ一郎君ちょっとこっち来てッ!」
今なんって言おうとしたんだろう?
総一郎で噛むか?普通。
ぐいぐいと旦那の手はオレを引っ張って行く
「あのさぁ〜やめてくれる?」
「プククク!顔が真っ赤でさァ!」
妙に意地悪したくなる
「そーゆーことなんで言うかなぁ…」
言い方はぶっきらぼうだが、顔はプルプル震えている。
すげぇ虐めてィ
「おーい、チャイ…」
いきなり旦那はオレの口をふさいだ。
「ホントに…やめて…」
真剣な顔。
かすれた声でそれだけ言うと旦那はさっさとチャイナを連れて帰った。
涙…浮かんでたように見えたけど…?
そんなに恥ずかしかったのかWWW (←違う)
思い切りその場でせせら笑った後、オレは屯所に戻った。
可愛かったなァ…チャイナ。
今日はよく寝れそうだぜィ。
すぐに寝た。
夢にチャイナが出てくるのを願って。