小説

□貴方は
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貴方はいつもいつも

人のことを優先し

自分が人を守った。

このまえだってそうでしょう?

死ぬ気はなかったけど

神楽ちゃんを守りたくて

飛び込んだんでしょう?

だからって貴方がなんで死ぬの

おいていかないでよ



私はいつも

自分の思ったことを優先してきた

貴方と付き合うのだって

私は貴方が好きだから

なのに貴方は

いつも人の事ばかり...


でもね

私自分の意思を

まだ通していないんです

それはね

貴方についていかなかった事


安心しきってた罰ですね

頼り切ってた罰



「アネゴ〜!定春の散歩いくネ!!!」

「はいはい。わかりましたよ。神楽ちゃん」

「アネゴ...?」

「どうしたの?早く行きましょう。」






「涙。」

神楽ちゃんは私の頬をなでました。

その時私は初めて涙を流してたのに気づきます。

そうしたら「銀ちゃんのこと考えてたアルか...?」って聞くの。可笑しいでしょう?

違うわよ、もぅ、ってごまかしてお化粧を直し外へ出ると

外は銀色の風が吹き荒れていて...。

銀さん、貴方が死んで一年。

私はまだ立ち直れません



おわり
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