小説

□相思相愛
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「相思相愛」


―――――「やるネ。もらうがヨロシ。」
手に押し付けられたのは、一枚の酢昆布。
「こんなもン、いらねィッ!」
オレがほしいのは…!
「なんでアル?わたしの事、キライアルか?」
んなワケねィだろィ。大スキだっての。
「キライじゃねィよ…。」
チャイナは、はにかむ。
「じゃ、もらえヨ。」
そんな顔、他のヤツに見せんなよ。
「あのなァ…。」
「バイバイ。」
オレの思い分かるか?届いてンのかィ?
「オレが欲しいのはァ…」
チャイナ…!
「お前の心ッ...て…。」
チャイナの姿は消えていた。
周りの人の視線が痛い。
胸の中がぽっかり空いた気がして、歩き出した。
片手に酢昆布を握り締めて。。。―――――――


そんなことで、沖田総悟は悩んでいる。

場は万事屋の裏。
ここはチャイナの声がよく聞こえるため、総悟のベストスポットとなっている。

どうするよ。オレ…。

酢昆布。
食べるか食べないか。
って…そんなコトで迷うなんて…

「オレ、重症…。」

髪をくしゃ、と触る。
アイツが悪いんだ。あんな顔で笑うから。

「…バカぁ。」

自分の頭を叩いても、いい案なんて出てこない。
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