短い小説
□小さな温もり
1ﾍﾟｰｼﾞ/2ﾍﾟｰｼﾞ
｢土方、好き。｣
俺が顔を近付けても、土方は鋭い爪で引っ掻かなかった。
｢好き、好き。｣
銀時はそれを良いことに、言葉とキスを贈る。
土方はなぜか嫌がる素振りを見せない。
やっぱりそれが嬉しかった。
だから、本人だったら出来ないはずのキスを、思いの丈だけ贈る。
土方の鼻先に何度も音を立ててから、土方を優しく抱きしめた。
俺の身体と小さくなった土方の身体を密着させる。
小さな温もりが心地好い。
｢どうしようも無いくらい…好き。｣
自然と素直な言葉が口から零れて。
俺の言葉に対してか、土方がにゃおんと鳴いた。