Novel.

□Strawberry Jam
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パンの焼けた香り。
テーブルの上にストロベリージャム。

『ゆうーっ、パン焼けたよおっ!』

トースターから元気に飛び出したパンをお皿に乗せながら、あゆは愛しい寝顔に呼び掛ける。

『もぉ、遅刻するよおっ?』

いつもギリギリまで寝てるゆうの体を、無駄だと思いながらも揺らす。

「んん〜‥」

‥いつもながら可愛い寝顔。
ゆうが唸るとともに長い睫毛が少し揺れる。

「わんっ!」

あゆがベッドから降りると、ゆうの連れ犬のりくが床をカシャカシャと蹴りながら走ってきた。

『こまったご主人様だねぇ、りくたんっ』

ゆうがあゆと同じくらい溺愛してるりく。
犬好きなあゆは愛犬を抱き上げるとベッドの上に乗せた。
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