野羅の闇医者
□ソノ漆
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十年前、俺は秘密警察犬だった。
死体鑑定が俺の仕事だった。
しかし
ある日、仲間と信じていた奴に裏切られた。
俺の死体鑑定に過ちがあったと、嘘を吐いていると言われた。
何故こんなことに、嘘を言わなければならないのか。
俺は罪を着せられ、投獄された。
檻の中で、俺は人を信じるのが怖くなっていた。
しばらして、荻野という刑事の監視下で再び働くことになった。
久しぶりに外へ出て、生きた人間の肌に触れた。
荻野は珍しく俺に自然に接する人間で、なんとなく、温かかった…
鉄人ぶりにも驚かされたっけ。
だが長くは続かず、結局死体から情報をとる仕事に変わった。
毎日死んだように死体を鑑定していた。
もう、冷たい肌は触りたくない…
何年かして、遥に誘われた。
"ノラのように、自由になって、警察を壊さないか?"
俺はすぐさま返事した。
<もう…こんな所はイヤだ…>
その想いでいっぱいだった。
そして、今の俺様がある。
『(そういや…、アイツには何も伝えずじまいだったな…)』
to be continued...
→夢主の年表