Lie and Love
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睨む、睨む…軽蔑するように貴方を必死で睨んだ。
泣く、泣く…好きでもない奴にキスされたから…―
『生きているだけで、いいと思え』
そんな綺麗事言われたって、信じられないよ。
いや…今の私に何を言ったって信じないわ…
信じたら、負けよ。
Lie and Love_不確かな温もりに縋って
私に向かって、ボンゴレT世の手が伸びてくる。
それに肩がビク、となった。
何をされるか分からない…私に触らないで…関わらないで。
見ないで、そんな目で―…
「…っ!?」
腕を引っ張られて立たされる。なんて力なんだろう…抵抗できない。
「はな…して!」
「無理だ、」
その一言を言うと、私の腕を掴んだまま歩き出した。
私が逃げないように…腕を掴む力がとても強かった。
「いた…っ、」
「!…すまない…」
私の腕を掴む手の力が抜けたと思うと、解放された。
逃げれる、そう思ったけど…体が動かなかった…T世の顔を見ていると…逃げれなくなった。
どうして…、そんな悲しそうな顔してるの?
こっちの方が悲しいのよ?なのに…どうして貴方がそんな辛そうな―…
「華威」
またビクッと体が強張る。この人に名前を呼ばれると…体で拒否してしまうんだ。
「……なぜ、怖がる」
分からないの?貴方が私に触れたり…キスしたりするから…無意識に体が否定しているの。
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