Lie and Love

□27
1ページ/4ページ



好きです。
という短い短い言葉は、あまりにも拙くて、消え入りそうだった。

少しだけ震えた声は、緊張しているのか、焦っているのか、恐がっているのかは分からない。


でもその言葉を口にした瞬間、心に使えていたものが、すっと消えた。

まるで、重々しい鎖が外れる様だった。




Lie and Love_愛の嘘




「……―」


ジョット様は黙ったまま、私を見つめていた。

オレンジの瞳からは、何を思っているかは理解できなかったけれど、私は見つめ返すのだった。

まっすぐな瞳を、ただただ見つめた―。




『やっと、気付いたんです』




なんて、心の中で彼に呼びかけてみた。


言葉にしてしまうには、どこか息苦しくて、


だから、強く強く、想った。



.
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ