Lie and Love
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好きです。
という短い短い言葉は、あまりにも拙くて、消え入りそうだった。
少しだけ震えた声は、緊張しているのか、焦っているのか、恐がっているのかは分からない。
でもその言葉を口にした瞬間、心に使えていたものが、すっと消えた。
まるで、重々しい鎖が外れる様だった。
Lie and Love_愛の嘘
「……―」
ジョット様は黙ったまま、私を見つめていた。
オレンジの瞳からは、何を思っているかは理解できなかったけれど、私は見つめ返すのだった。
まっすぐな瞳を、ただただ見つめた―。
『やっと、気付いたんです』
なんて、心の中で彼に呼びかけてみた。
言葉にしてしまうには、どこか息苦しくて、
だから、強く強く、想った。
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