Lie and Love
□23
1ページ/3ページ
離れていく。
脳が理解するのを拒んでいるのか、体に力が入らなかった。
離れていく。
完全に腕を解いたジョット様は、薄っすらと笑ったのだった。
まるで私の幸せを祈ってくださるかのような、穏やかな表情で、真っ直ぐな瞳で。
「ジョ―…!」
Lie and Love_遅咲きの花は憂う
私の言った“ごめんなさい”は、今までの無礼を謝罪する意味が込められていたはずなのに。
それを彼は“断り”の意味が込められていると受け取ったのだ。
あいしてるって、言ってくれたのに。
本当に貴方のこと、知っていけそうな気がしたのに。
私は閉ざされてしまった扉を見つめ、そして絶望した。
.