Lie and Love

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離れていく。
脳が理解するのを拒んでいるのか、体に力が入らなかった。

離れていく。
完全に腕を解いたジョット様は、薄っすらと笑ったのだった。

まるで私の幸せを祈ってくださるかのような、穏やかな表情で、真っ直ぐな瞳で。


「ジョ―…!」




Lie and Love_遅咲きの花は憂う





私の言った“ごめんなさい”は、今までの無礼を謝罪する意味が込められていたはずなのに。
それを彼は“断り”の意味が込められていると受け取ったのだ。


あいしてるって、言ってくれたのに。

本当に貴方のこと、知っていけそうな気がしたのに。


私は閉ざされてしまった扉を見つめ、そして絶望した。



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