Lie and Love
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夢を見た。
多分昔の夢だと思う。
春、桜が咲き誇り舞い散る中に私が立っていた。
幸せそうな顔で私は微笑む、ただ…ただそれだけの夢なのに、違和感を覚える。
ねぇ私の隣には誰が居るの?
Lie and Love_冷たき音で繋ぐ
重たい瞼を開いても、光を拾うことはなく視界は真っ暗だった。
つまり太陽が沈み、月と星が夜空をひきつれてやってきているのだ。
「……ん、」
枕元にカサリと音を立てるものが置いてあるのに気付き、それに手を伸ばす。
紙袋…みたい。
中には今着ているドレスとはまた違うドレスと、一枚の紙が入っていた。
『受け取れ G』
殴り書きで書かれたぶっきらぼうで直球なメッセージに思わずクスリと笑ってしまった。
紙袋を逆さまにすると、必然的にドレスが私の膝の上へ落ちてきた。
またシンプルで可愛らしいデザイン。
そして今着ているものと一緒で、胸の辺りには金糸で貝の刺繍。
私はベッドの上にそのドレスを残し、部屋に備えられているバスルームへゆっくり歩いていった。
寝たりないわけではないが、頭がぼんやりとしている。
シャワーを浴びたら、仕事もないわけだしもう一度寝ようと思った。
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