Lie and Love

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私はその場に立ち尽くしていた。
正確に言えば足を前に出して歩き出す事が出来なかったのだ。

また、分からなくなっていく…

初めは、触られるのも…見つめられるのさえ拒ばずには居られなかったのに…
今は、見つめられると胸がやける様に熱くなっていくの。

少しずつ…確実に私の心は変わっていっているの気がする。
この胸の鼓動が、証拠。




Lie and Love_冷め切った鼓動




小走りで部屋にまで続く静まり返ったローカを進む。
どうも落ち着かなくて、頭の中が混乱したときは一人になる、それが私の癖…というより自分で決めた事。

自室の扉が見えたと思うと、背後から大きな声が聞こえた。

「ちょっとそこの貴方、待ちなさいよ!」

私は疑問符を浮かべると、くるりと声のする方向を向く。

そこには綺麗な金の髪を持って、沢山お洒落をしている女性がいた。
その表情は、なんだか怒っているようだった。

「…あの、私に何かご用ですか…?」
「ええそうよ、ねぇあなた。彼……ジョットとどういう関係なのかしら?」

にっこりと笑いかけてくる。でも何か黒い物を感じた。
とりあえず首を傾げてみる。そしてやっと気付いた、

「…ああ、…貴方は…ジョット様の…」


女。でしょう?


そしてもう一つ気付いた。
さっきまで熱かった胸は、もう既に覚めてしまっている事…。その代わり、チクンと痛んだ。



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