きっと、

□きっと君を、
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暇。退屈…ひたすらソレ…
ベッドに軽く腰掛けて足をバタバタさせる。

今日は空に分厚い雲がかかり雨が激しく地面を打ちつけている。

「あー…」

つまらない、つまらない…。ソレばかり考ええている。

看護婦さんも今日は会議だし…雨だから屋上いけなくて誠君と会えないし…平日だからツナこれないし
昨日は珍しく沢山寝れたから今寝る事は出来ないと思う。

仕方なく窓の外を見る、
なんだか…雨が降ると街の色がモノクロに近づく気がする…
灰色、なんだか寂しいな

「……誠君…」

今日は診察入ってないのかな…、入ってたら会えるのに…


窓をあける、ヒンヤリ冷たい風が顔にあたる、

あ、なんか…寒いな…

…さむい?


「っけほ…」

風邪引いたかな?…まさか、だって入院してから一回も風邪なんて引いたことないのに。
ダメだよ、今は誰もいないから…

クラリ、

嗚呼、ヤバイかもしれない。


―カラ…


「…………蒼葉?」
「!誠君!!!」

寂しかったから、会いたかったから、思い切り誠君に飛びついた
ビックリした誠君はあたしを受け止めると少しよろついた

「あ…ごめ、」
「………………?蒼葉…?」
「んー?」

額に冷たいものが添えられる、誠君の手のひらだ…

「…熱、ありますね」
「な…っ」

驚いた顔をしていると誠君があたしの頬に両手を添えてきた
あ、冷たくて気持ち良い…。

「……はぁ、」
「ふえ?」
「…もう無理しないでください」

そういってベッドにあたしを座らせた。優しくね。




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