きっと、

□きっと君を、
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―コンコン


「ツナ!…入ってっ」

カラリと小さな音を立ててツナが病室に入ってくる
やっぱりツナだった

「良く分かるね、毎回…」
「えへ…だって音が優しいもん」

嬉しそうにあたしが笑うとツナも笑ってくれた

ツナはこの前小学校を卒業した
そして春休み真っ最中、普通の子ならまず遊びほうけているだろう
でも毎日ツナはあたしのところに来てくれる。

そんな優しいツナがあたしは…好き


「入学式はいつ?」
「来週だよ、ああー…春休み終わったら忙しくなって…蒼葉のところに居る時間が短くなる…」

残念そうにため息をつく、けどあたしはそんなことを言ってくれるから嬉しくなった


春のあったかい日差が窓辺にさしてくる中、あたしはツナと中学校のことについて沢山喋った

「ツナって部活何するの?」
「えー…何やってのダメだからな俺…」

苦笑いでそういう、
確かに学年末テストは凄い点数だったし…運動も苦手なほう、
でもツナだってやったら出来ると思うんだけどな…

「…んー…とりあえず帰宅部で…」
「ええ!青春じゃない!」

勢いよくツナに掴みかかる
体を揺すって

「つまらないよそんなの…っ!」
「いいの!部活なんかするよりココに来たいし!」

そう言われると、嬉しいのか…複雑な気持ちになった

「もー…」

苦笑いでもう一度ベッドに収まった

「蒼葉と一緒にいたいし」

そこまで言ってもらえると思わず笑顔がこぼれた
あたしも、ツナと一緒にいたいもん

「嬉しい!……でも勉強もちゃんとしてね!」
「えー…っ!…はい」

そういって、もう一度顔を見合わせて笑いあった



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