きっと、
□きっと君は、
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「…おや、蒼葉戻ってたのですか?」
僕が沢田綱吉の様子を伺って部屋へ戻ると、蒼葉が部屋の隅に座り込んでいた。
僕に気が付いたのか、彼女は立ち上がって近寄ってきた。
肩にはバーズの小鳥を乗せて。
お帰り、と微笑んでくれた蒼葉に、とても悪い気がした―彼女の友人である沢田綱吉を策略に嵌めようとしているのだから。
彼女の微笑みに対して、僕の笑みはぎこちなかったころだろう。
「…っあ、あのね。バーズさん何処か知らない?この子返したくって…―」
バーズは先程、沢田綱吉に殴られて外で伸びているはず。
「……。バーズなら帰りましたよ」
しかし蒼葉には、沢田綱吉が此処へ訪れている事を知らせないほうが良いでしょう。
それにしても、あの沢田綱吉がボンゴレ十代目だなんて驚きましたね。
「え!どうしよう骸君っ!」
「え…、あ、…そうですね…蒼葉が飼っては如何ですか?懐いている様ですし」
「……看護婦さん、許してくれると思う?」
「…思いません」
うーんと唸りながら考え込んだ蒼葉は、取り合えず今は私が面倒を見ると呟き手の上に乗せた小鳥を肩に移動させた。
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