きっと、
□きっと君は、
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ドサッ―
「…ん?」
骸君達が居る部屋に入ると、何か重たいものが落ちる音がした。
見るとそこには小学生くらいの男の子が慌てて、物凄く大きな本を拾っているところだった。
誰だろう?
骸君のお友達―ではなさそう、なんだか怯えているもの…迷子かな?
「骸君、」
「、ああ蒼葉…おかえりなさい」
ニコリと微笑んでくれて、さっきまで強張っていた体がふにゃりとなってしまった。
嗚呼、魔法に掛かっちゃったみたい。
心が温かくなったと思えば、視界に入ったのはさっきまで寝ていた千種君だった。
「わぁ!起きたの!?…大丈夫!?」
「?…骸様、この子は一体…?」
「あ、あたし蒼葉って言います、初めまして千種くん!怪我は大丈夫?」
「クフフ…前に言ったでしょう?僕の大切な人です…―どうやら犬が勘違いして連れてきてしまったようでして」
そうでしたか、と眼鏡をクイと上げる。
冷静な表情からして傷は大丈夫なようだけれど…倒れこんできた時も無表情だったようか気がするから正直なところ分からない。
取り合えず、千種君の怪我に障らない程度に軽く手を握り
「よろしくね」
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