Eternal night

第20夜
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扉を開け、中々戻ってこない光を呼ぼうとして私は呆然とした。
午後の日差しが溢れ返る庭、その眩しさに目が慣れても彼女はそこに立っていなかった。
右を見ても左を見ても、何処にも姿がなかった。


「…光?」


本来なら、名前を呼ぶと反応してくれると言うのに私の声は静かに庭に溶けた。
急に焦りだした私は光の姿を探しだしたが、何処にも見えずに居た。

誘拐かと疑いもしたが、悲鳴も聞こえず庭の草も踏まれてはいない事からその可能性は消えた。
だが何故?と自問してみると。


『光を…元の世界に戻す気はあるか?』


リボーンとの会話を思い出す。
もしかして、あの会話を聞いていたのだとすると――光は…。


『私は…光が、幸せになれる道を選びます』


嗚呼私が、貴方を傷つけてしまったのですね。
いつまでも一緒に居たい、と望んでくれた貴方に対して私は、なんて酷いことを口にしたのだろうか。



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