Eternal night
□第10夜
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傷に触らないように優しく頬を撫でた。
腕には深い傷、足首には鎖が食い込んだ痕…その他にも普通ではありえないような傷がある。
どうして、こうなるまで研究をしようとするのでしょうか…?
分からない。
痛いと叫んで訴えている少女を見て、なんとも思わないなんて…
可笑しい。
サラリと柔らかい髪に触れる。
所々に光の血が付いて赤くなっている。
静かに眠っている光がなんだか痛々しくて、目を瞑った
「……ごめんなさい光…」
「どうして風が謝るの、貴方は悪くないはずよ」
ルーチェが丁寧に光の傷を手当しながら静かに呟いた。
確かに、私は光を傷つけていないかも知れない。……外的に言えば。
心を、傷付けてしまったやもしれない。
どれくらい、あの場所で泣いていたのだろうか。
どれくらい、助けを求めていたのだろうか。
どれくらい、怖かったのだろうか…
多分私の想像以上に怖かったし、泣いていたと思う。
前は慣れていたかもしれない、でも
一度闇から離れると、戻ったときは辛いものだと思う。
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