きっと、
□きっと君は、
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ただ、言葉に出来なくて…見つめていた。
貴方の真っ直ぐなその瞳を、
あたしね、学校に行けなくて普通の子みたいな知識もないの。
貴方が1から全部説明してくれたって、ほんの一部しか理解できないと思うの…
でも、言葉にする必要なんてどこにもない。
自分の感覚を信じてみたって、良いよね?
「…誠く…いえ…六道骸君……、あたし…分からない事だらけなの」
だから
「……あたしを、抱きしめてください……」
目を瞑り、消え入りそうな声で呟いた。
嗚呼あたし…今…真っ赤な顔してるにしがいない。
何も反応のない骸君が気になって、そぉっと目を開いてみる。
そこには、目を大きく開いて赤くなってる骸君がいた。
「…な、」
「ご!ごめんね…!その…っ…恥ずかしいんだけどね、あたし…骸君が本当に誠君なら…」
言葉に詰まる。
でも正直に…ちゃんと、自分の気持ちを言うよ。
「…やっぱり、抱きしめてほしいよ…」
「!…蒼葉……」
一気に顔に熱が集まっていく。…だってとても熱いんだもん。
ドキドキ、と…心臓が強く強く打つ…。
恥ずかしくって、骸君の顔を直視できなくなったから再び目を瞑る、と
骸君の足元に生えている草が小さい音を立てたかと思うと、
骸君は、あたしを抱きしめてくれた。
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