きっと、
□きっと君は、
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あたしは泣いた、ツナと離れたときみたいに―…枯れない涙を流していた。
必死に…あの人の名前を呼びながら…。
ずっと泣いてて疲れたのか、いつの間にか意識は夢の中へ堕ちていった。
また、あの夢の中に―…
どこまで、誠君が居なきゃダメなんだろうか。
*
藍色の髪がサラリと揺れていた。
空色と赤色の瞳が…私を映している…。
誠君に似ている人…貴方は誰?
あたしとその人の距離が近くなる。
彼がこちらへゆっくりと歩いてくるのだ―…
『蒼葉…』
ほら、またそうやって誠君みたいにあたしの名前を呼ぶの。
なのにどうして?あたしが切ないはずなのに―…何故貴方がそんなに悲しそうな顔をするの?
細くて長くて…綺麗な指があたしに向かって伸びてきた。
あたしは見とれていたの。ただ目の前に居る綺麗で…どこか懐かしい人を見ていた。
そして、頬に触れる指。
とっても優しくて…とっても温かくて…夢とは思えないよ…。
似ているの…あの人に―…
「―――――…誠…く…」
頬を撫でていた手が停止して、その人は切なそうな目であたしを捉えていた。
ああ似ている―…そう心のどこかで呟くと
『ごめんなさい…蒼葉…』
切ない顔で、切ない声で、切なく呟く。
貴方が誰だか知らない、けれどそんな悲しそうな顔をして欲しくなかった。
あたしの頬に添えられたままになっている手の上に、あたしは自分の手を重ねた。
そして笑って欲しい、と思ったから…まず自分から微笑んでみた。
すると―…
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