きっと、
□きっと君は、
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心臓を思い切りつかまれたみたいに苦しくなっていた。でも走って走って…
器官が細くなっていくみたいに息をしずらくくなっていた。でも逃げて逃げて…
ねぇ、誠君―…
そんな怖い顔であたしを見ないで…。いつもみたいに微笑んで?
そんな低い声で怒鳴らないで…。いつもみたいにあたしの名前を呼んで?
安心させて?
貴方が誠君だと言うことが…一番安心できるの―…
―パタン、
寂しげな音を立てて病室のドアを閉める。
手が、カタカタ音を立ててる。
「まこ…と君……」
ほらいつもみたいに…笑ってよ、あたしと接してよ…
「誠君……」
ねぇ、"好き"かも分からないのに今心がズキズキ痛むの。どうして…?
「誠君…っ…ま…こと君……―っ!」
呼ぶの、貴方の名前を。
「誠君―!!」
求めるの、貴方の笑顔を。
ねぇ、あたし…―誠君が好きですか?
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