book11


□六尾の狐と馬鹿
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背中合わせに寄り掛かって
何をするでも無く携帯を開いたまんま。
ついでに今は夏だから少し暑い。
けど…動くのも面倒なのと
離れたくないから暑くても…このまんま。
背中越しには何かやってる音が聞こえるけど…
気にする事なく只々、時間が流れてるだけ。
そんな中…ふいに空気が動いた。

「なぁ、晴矢…別れた方がいいかもしれない…………正直…飽きた」

意気なり発された言葉に返す暇も無く
理由まで一気に言われてさっきまで暑かったのに…
体温がガクンと下がって思考まで止まった。
振り返ると淡々とした表情のままで
自分の事を見るわけでも無く…淡々と…

「………嘘…だよな?」
「ん?いや…ホントに…飽きた」
「はぁー?なんっだよ!それっ!!!」
「だってっ!」

その後に続いた言葉を聞いてこれまた思考が止まった。




「こんなに孵化させても色違い出ねぇーんだぞっ!!!」




孵化?色違い?何の話だ?
俺と別れる的な話…じゃないのか?
頭の中に疑問を沢山抱きつつアツヤの手元を見てみれば…
ゲーム…で…まさかと思って、その液晶画面を見ると…
そこにいたのは六本の尾を持った狐…
が大量に映し出されていた…。

「ぁー……ロコン…」
「おぅ!今、色違い狙ってんだよ!」
「…ロコンな…………あぁーもう!びっくりさせんなよ!」
「は?何でビックリするんだよ?」
「なんでもねー……」

自分の話だと思った。
なんて言ったら絶対何コイツ?
みたいな顔するんだろうな…。
だから、絶対に言わない。
聞かれても言うかっ!
ふて腐れて背を向けて開かれたままの携帯を弄り始めると
肩にずしっと何かが乗って来た…。
一体何がと確認するまでも無く…
人の肩に顎を乗せているアツヤの姿。

「………なんだよ?」
「…ん………お前との事じゃ無いからな」
「っー……ったりまえだろ!」
「おぅ」



振り返って苦笑した表情に
キスをおとしてやった。










後日談


「お前…名前付ける派なんだな…」
「あー…一応?ついでにあのロコン達…全部“はるや”なんだー」
「はぁ?な、何でだよ!?」
「見分けつくし…色違いは“しろう”にするんだ!進化したら銀色だから!」


(ぇ?あれ?って事は用無しになったら…“はるや”全員別れるって事か!!??)


「晴矢?…晴矢のは違う奴に付ける予定だからっ」
「や…別にそういう訳じゃっ…」
「すっげー頭が似てる奴いるから、そいつに!!」

「あたま……??」
「おぅ!カッコイイんだぜ!」

「そー、なのか…?」
「ぅん」


(っ〜…お前は可愛いって!!!!!)











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ポケモンネタです
ロコンを大量に孵化させてるのは…
私です!!
それにしても軽くネタバレ?
だって似てるんですよ!!







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