book11


□君に会いたい午後0時
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注:勝手ながら捏造設定←の設定を
使用させていただいております。
初めにお読みいただけたら幸いです。







開いた携帯のボタンを押して
画面に表示した目的の人物。
少しだけ迷って通話ボタンを押す。
暫くして耳元に響く電子音。
何度目かのコールで、その電子音が消えて
変わりに聞こえてくる君の声。



『もしもし……楽也?』

「もしもし……繋がらないかと思った」



思わず零れた笑みに同じ様に返す君。

離れてる場所でも繋がるこれは…
相変わらず便利でありながら不思議な物だと思う。
時々…厄介な物でもあるけれど。
そう思うのは…
きっと自分達の今の状況がそう思わせているんだろう。

日本とフランス。

これだけ離れているのだから、そう思うのは当然か。



『予定は明後日…だったか?』
「あぁ、そしたら雄一郎に逢えるよ」
『!……唯の大学の旅行だろ?』
「雄一郎はそうじゃないのか?」
『いや、そーいうわけじゃ…ないけどな』
「そう?それは良かった」

電話越しにうろたえたり
小さく唸った声を聞いて思わず小さく笑った。
聞こえたら聞こえたらで怒るだろうし
でも、それはそれで可愛かったりするわけ。
言ったらやっぱり怒るんだろうけどね。
それから少し話していれば電話の向こうから
微かながら聞こえる騒がしい声。
誰の声だとか聞くまでも無く…

「そっちは夜だったかな?」
『あ。うん…今、綱海さんが帰って来た所』
「いつもより遅いな」
『そ、残業だったみたい…そっちは今…昼?』
「あぁ…今、時間が空いたからな…声でも聞きたいと思って」

『……俺も…少しだけ、な…明後日になったら迎え行くから…』
「うん。待ってるよ。今すぐ抱きしめたいけど…我慢しておく」
『ははっ、俺も我慢しておくよ』



それから暫く話して電話を切った。

後数時間はこっちに居るのに
今すぐ君に会いたくて堪らなくなった…。


もう少し後に掛けるべきだった…
とは思ってもそれまで我慢できない
自分が居るのだから仕方ないか…。





そんな午後0時。










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糖分超過』様にて参加させていただきました
題が『君に会いたい午後0時』と言うことで……
時間帯がいまいち分からなくなったりしましたが…
正午だったみたいですね。
しかも…音戸田とマイナーで
時差ネタで書かせていただきました(笑)

参加させていただき有難うございました!


霞。



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