book11


□君を見ていた
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注:勝手ながら捏造設定←の設定を
使用させていただいております。
初めにお読みいただけたら幸いです。






そよそよと部屋の中に風が舞い込んで
カーテンと一緒に踊っている夕方…
ソファに座り込んで開いた雑誌に目を通した。
因みに俺のではなく音村の。
だから勿論と言うわけでは無いけれど
少しばかり難しいな…内容が。
それに…音楽関係が多いような気がする。

いつもだったら綺麗に片してあるコレが
こんな所にあるのは急用が出来て意気なり出て行ったから。
急用って言っても…どうせ戸田さん関係だろうな。


(そんな事よりも…)


肩に寄り掛かるようにして寝ている勇気。
少し前に来て話していて気が付いたら
こんな状態。
別に嫌なわけでも無いし
寧ろ可愛いからこのままずっと見ていたい。
今日は天気も良いし外から入って来る風が
気持ちいいから…分からなくもないなー。
寝顔を見ながら少しばかり口許が
緩くなるのを感じて慌てて掌で隠した。
もう、雑誌なんてそっちのけで
テーブルの上に放置。
後で文句言われようと関係ない。
頬を突いてみたり頭撫でてみたり…
その度に小さな反応をして更に口許が緩む。
そんな事をしていると気付いたのか?
小さな声と一緒に瞳が開かれた…。

「……ぅん………つ…なみ……さん?」

「ぅおっ!わりぃ、起こしちまったか?」

「んー…へいき…です。……何、してたんですか?」

「あぁ!えっと…ぁー…勇気の事見てた!」
「…そ、ですかぁ……」

そう言うと眠そうな目を擦りながら
また、うつらうつらと瞳が閉じて
肩の上にぱふっと頭を垂れて…。
少しびっくりしたからだろうか…どきどきしてる。
不意に手に何か暖かいものを感じてそこに目をうつせば…繋がれた手と手。

(ぁーホントにっ!かわいい!!)

思いっきり抱き締めた。
多分起きるんじゃないか?って位に
それでも構わないと思ったけど。

そんなことよりも



これから先

色んな表情を見せて!


なんて面と向かって言えないけど


俺は勇気だけを見てる!


な。






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GK企画『FOG』に参加させて頂きました。
かなり遅くなりましたが……
最初は会った辺りかなーなんて…
結構ズレましたね〜(笑)

それでは企画参加させて頂きありがとう
ございました。
楽しく書かせていただきました。




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