book11


□なきむしライオン
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ぽたぽたと雫が落ちる。
それは、地面に落ちて染みをつくる。
それは、服に落ちて温かさをのこす。


抱き締められた腕を拒むことは出来ずに
肩には涙が流れて…

抱き締め返した手で彼の髪を撫でる。


数時間前に告げられた言葉は
あまりにも意外で…どうに答えたら良いか
わからない…。

そもそも彼が自分にソレを告げる事すら
信じられないのだから答えなんて出て来ない。
それでも、答えを出さなくてはと、頭を回す。

とてもいい感じの人だとは思う。
何しろ目の前の彼はフィールド上に
立っている時とは違い
ふんわりとした笑顔で笑う。
ころころと表情が変えて
それはそれは…


“愛しい”…と。


あぁ。答えなんて出ていたじゃないか…。


唇から答えを告げれば

不意に涙が零れた。



腕をまわして、抱き締めて



髪を撫でて、涙は温かく流れて



『王』なんて名も流れて



それはまるで



『なきむしライオン』







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『ポプラ』様に
参加させていただきました。
源田×立向居と…マイナー?ですが
GK繋がりで…
御題は『なきむしライオン』という事で
ライオンで源田が出てきたわけですが…。
御題に沿ってるか心配です。

では。参加させていただき
有難うございましたv
楽しく書かせて頂きましたー。


粒華/霞





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