book11


□秘事に近い行為
1ページ/1ページ




机の上に広げられた書類。



其れは今後のデータ…。

その重要である書類を目の端に追いやって

只、見つめるは目の前の人物。



「鬼道…」



名を呼ばれて、もうすでに何回目だと思い唇を重ねた。

初めのうちは啄ばむ様にゆっくりと
顔を見合わせながら

笑いながら、冗談交じりだったのに。

徐々にその行為はエスカレートしていく。

自分自身止めたいとも思わなくて

止めるべきだろうなんてそんな考えは
消え失せていた。



「源…田…」



唇を離して何が可笑しいわけ目が合って笑う。

其れを何度と無く繰り返して求め合って…

今まで何をしていたかなんて忘れて其れを繰り返す。

ふと、ふわりと源田が笑って、目線が移動して

額に軽くキスを…。



それは。今まで唇を合わせたよりも変に恥ずかしくなって

視線をそらせば両手で頬を包まれてまた、口を塞がれる。

けれど、今までとは違い…

歯を撫でるようになぞりながら舌が口内へと入ってくる。

まるで、口内だけ犯されてるような…。



「っ…んぅっ」



入ってきた舌は丁寧にゆっくりと口内を回る。

それに、息継ぎのタイミングが合わなくて
苦しくなって
思わず源田の胸元を叩けばゆっくりと酸素が入る。



「悪いっ…大丈夫か?」

「……平気だ」



向けた表情はきっと言葉とは裏腹に

紅くなっているだろう…
あまりしない事をするものだから…

それを、知ってか知らずか…くいっと顔を上に向けられ




軽く触れるようなキスを一つ。



それはきっと





秘事に近い行為








[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ