book11


□君が嫌い
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放課後になって色々と片付けて部活に行く為に準備をして
クラスを後にする。
廊下に出れば丁度同じようなタイミングで出て来たのは豪炎寺君。
目が合って少し笑うと“一緒に行こうか”って声をかけて二人して
グランドに行く為に足を進める。
まぁ。偶然タイミングがあってなかったとしても
いつも一緒に行くから、あえて聞くことも無いけれど…。
廊下を歩きながら話をしながら歩いて、ふと、外に目を向けると
見慣れない制服の生徒が裏門に寄りかかりながら居るのが見えた。
それはまるで、誰かを待っているように。

(他校…?)

あまり…他校の人が居ることなんて無いのに…と思いながら
豪炎寺君に話を振ってみるとやっぱり見かけたことは無いみたいで
二人して、誰だろうねーなんてと見ながらも足を進めていると
丁度、角度的にその人物が見える位置で…思わず足が止まった。

「吹雪?」

その角度から門に寄りかかっている人物が微かながら見えて
それが、特徴的な髪型で見覚えのある色の髪をしていて…
出来れば…一番会いたくない!!

「豪炎寺君、ごめん。ちょっと寄り道して行ってもいいかな?」
「…………あれか?」

そう言って見ていた人物の方に指をさしながら呆れたような困ったような
そんな表情。
きっと僕と同じで誰だか分かったんだろうね。
でも、事情を知っているから特に何も言わないで苦笑して
早めにな…と言って頭を撫でてくれる。
この自分より大きな掌が温かくて大好きだし嬉しくなって
思わず微笑が零れた。








承諾を得て直ぐに階段を下りて裏門へと向かうと…
やっぱり、予想していた人物が携帯を弄くりながら、いかにも待ってます!
と、言った状態。
堂々と前から行くのは面白くないので、少し隠れながら口調を変えて
ちょっとだけ、いつもより大きな声で

「わりぃ!晴矢。待ったか?」

なんて…アツヤの真似。
兄弟だから少し声が似てるし…ばれない自信だってあるもんね!
真似をして声を掛ければ気付いてないのか普通にこっちに顔を向けつつ
携帯をしまいながら

「ったく。おっせぇー…………よ…?」

紡いだ言葉は途中で途切れた。
目の前に居るのが目的の人物じゃないから…って言うの以上に
僕もだけど…このチューリップ…じゃなかった。
南雲晴矢が嫌いなんだ、だからきっと彼も嫌いだと思うよ。
しかも、相手が僕だと分かると一歩下がって警戒態勢…。
そんなに危険なものじゃないんだけどなー心外。

「っー!!」
「なんでこんな所に居るのかなぁ〜??」
「待ってるに決まってんだろ」
「アツヤを?だったら今日は休みだよ。熱で」
「はぁー?マジかよ!」
「あ。でもお見舞いとかいらないから。特に南雲は来なくて良いよと言うか来ないで」

本当に近寄らないでもらいたいくらい嫌なんだけど…。
今まで大事にしていた弟が見ず知らずの奴に取られるなんて
考えただけでも嫌だったのに…。
まさか…こんなチューリップに取られるなんて思いもよらなかった。
しかも、当の本人は此れにちゃんと恋愛感情があるからどうにも手出しが出来ない
と言うか…アツヤの悲しむ顔とか見たくないわけだし。
でも、まだ僕を優先にしてくれる所はあるけどね。
今日だって本当はこのまま帰りたいんだけど“心配しねぇーで部活やって来いよな!”
って言われて学校に来たわけだし。
そんな思考巡らせてる間に南雲がぎゃーぎゃーと煩いんだよね。

(もー…ホントに嫌い)

「ちょっとー煩いから黙ってよ、アイスグランドするよ」
「何だそれっ!てか豪炎寺!てめぇ!止めろよ!」
「大丈夫だ。凍ったら俺が爆熱ストームしてやるから」
「はぁぁー??殺す気か!!」

「そんな酷いなー。確かに僕は君が嫌いだけど其処までしないって」

大事な弟が何処の馬の骨とも知らない輩に取られるのはやっぱり嫌だけどね。
豪炎寺君に関しては…絶対楽しんでるよね。
それにしても…てめぇなんて言わないでよね!

「もー仕方ないなー…今回は良いけど、次はないから、家の鍵ー…」
「あ。それは良いや…あるし」
「は?何が?」
「だからぁー鍵。じゃあな!」
「あ!」

なんで…なんでアイツが…家の鍵持ってるのかなー…
あぁ!もう!!

「豪炎寺君っ!!!」
「ぁー…はいはい」









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ギャグのつもりで書いたら…
意味不明な文に。





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