蒼い少女紅い林檎

□ロンド
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「脂に画き氷に鏤む」
優梨子が、電話の向こうで、そっと呟いた。
真太は、意味が全くわからなかった。
時々、この女は、こんなことを呟く。
「生き字引」みたいな女だ。
漫画を描きながら、漫画に夢中になりながら、東応大学に平然と行くような女だ。
漫画に関しては非常な努力家だ。
しかし、脳の構造が違うのか、真太は時々、
凄いな、と思う。
「それ、、なんて意味?」
真太は、できるだけそっと聞いた。
優梨子は
少し間をあけて
「、、、溶けてなくなってしまいます」

呟いた。


真太は、それから考えている。
優梨子の言った
言葉の意味を。


中井さん



、、俺?




だよ。
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