福田くんの受難

□To Love 紅い誘惑
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、、、悪い事をしたとは思っていない。
大体、恋しています、なんてびっくりするような事を言われたあげく、、ぶん殴られたんだし。
あいつは恋って意味がわかっているのだろうか?

だけれど俺はメールを送った。
何度も何度も書き直しためらったあげく。
−元気か?こないだはスマン
ホッとため息が出る。

すぐに携帯の着信だ。
嬢からだ!
心臓がバクバクしているぞ。
『福田さん、、、』
嬢の声がしおらしいのにホッとする。
『ごめんなさい。直接この間のことを謝りたいのです、、』
嬢は消え入りそうにそう言った。
「すぐ行く。待ってろよ」
俺は矢の如く飛んでいったね。いつもの、あの公園だ。
「降りてこいよ」
部屋まで上がりこむ気はない。もうこりごりだから。
嬢は子猫なんだよ。わかっていたのに。
嬢がマンションの入り口から現れた。
泣いているじゃん。ヤバイ。
「ご、ごめんなさい。福田さん。私わたし、、殴ったりして本当に失礼しました」
「べ別にいーよ」
素っ気なく俺は言った。
真っ赤な顔して嬢が言う。
「私あれからキスの事勉強しました。映画も観て研究しました。そ、それで、、恋人どうしのキスというものを、初めて知りました」

「んな事勉強するなああああ!」
俺は呆れて怒鳴っちまった。マズイ。
「、、、すみません」
「バカか。あんたバカか!」
ああなんでこんな言葉ばかり出やがって。
「バカってなんですか!」
大粒の涙を浮かべながら嬢が必死に俺を睨んでいる。
、、、あぁ、可愛いなあ優梨子。
俺は嬢を引き寄せた。
そうっとそうっと、そのやわらかーい唇に触れる。
嬢の猫みたいな小さい舌が、、、

なんか真っ白になっていた。
え、、、
チューでいっちゃったのか?
初めての体験だった。
媚薬のような甘い香り、、、

嬢の声が遠くから響く。
−福田さん?福田さん、、
おお、戻ってきた。

嬢が俺の胸の中で小さく呟いた。
「キス、好きです」
な、なんて事を!奈落の底に落ちそうだ。
優梨ちゃんパネェよ。
「で、でも胸に触るのは無しですよっ」
えええーっ優梨ちゃん惨いよ。

恋を知らないのは俺のほうだったのか?





ところでアホバカタワケ地図では福田くんはアホ地帯?

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