兎に角叫んで逃げるんだ

□馬鹿は死んでも
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「あーーっやっと着いたーっ!」

遠かった!長かった!
来たよ 来ちゃったよ江戸の町!

江戸のシンボルとも言えるターミナルを背に、涙歌は長い列車の旅ですっかり凝った体をほぐすように伸びをした。


空気は汚けりゃ天人だらけだし異国船は空を飛び回ってるし…ちょっと想像とは違ってるかもだけど多目にみてあげよう


江戸で銀ちゃんが何でも屋さんやってたりヅラが未だに根強く攘夷活動をしてるとの噂、前々からちょっと気になってたり。

ついでにバカにしに行こうかな?


「その前にやっぱ腹ごしらえでしょ!」
と地図を広げたときだった。


「おーい、銃刀法違反」
「あは?」

首根っこを掴まれて何かと思えば上から下まで黒装束のお兄さんが一人。知ってる…これ、真選組だ。


しまった…刀差しっぱなしだった。

煙草をくわえたまま、不機嫌そうに私を見下ろしてくる。歩き煙草もダメなんだよ、ちょっとお兄さん!


「最近やたら攘夷浪士の動きが活発なんだ。ちと屯所まで来てもらおうか」
「ちょ…待って!私いま江戸に着いたばっかりで!べっ別に怪しい者なんかじゃないんだからねっっ」
「安心しろ十分怪しいから」


…と、上京初っぱなから逮捕されました。

このやろう斉藤涙歌…何てツイてないんだろう。ああ無情…


 
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