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□拍手お礼文
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これが僕らのありがとう
リンク&レッド編



「リンク!」

レッドが森にやってくると、探し人であるリンクが目を瞑って寝そべっていた。しかし、眠ってはいなさそうだったので、レッドは声をかけてみる。すると案の定、リンクは目を開け、レッドの方を見た。レッドはニコニコ笑いながら手を振ると、リンクに駆け寄った。

「どうしたの?」

起き上がりながらリンクは問う。レッドはリンクの隣に腰を下ろした。

「別に。用があったわけじゃないよ。ただ、なんとなく、リンクどこかなぁ、って。」

「そう。」

それだけ言うと、リンクは再び寝転んだ。が、意識だけはレッドから離さない。それを分かっているレッドは、取り留めもない話を始めた。昨日の乱闘はギリギリだけど勝った、とか。さっきまたゼニガメが悪さして、謝って来たんだ、とか。

“……違う。僕はこんなことを言いに来たんじゃない。”

たわいのない話をしながら、レッドは心の中でため息を吐いた。それを知ってか知らずか、リンクは静かに耳を傾けている。やがて、一通り話終えると、レッドは息を吐いた。話し続けていたレッドが口を閉じたため、辺りに静寂が訪れた。通り抜けて行く風が気持ち良い。

“ま、また今度でもいっか。”

そんなことをレッドが思っていると、突然リンクが切り出した。

「今日はいい天気だね。」

唐突なリンクのセリフに目を丸くするも、レッドは頷いた。

「ホント。昼寝日和だよ。」

レッドがちょっとリンクをちゃかしてみると、リンクは苦笑した。

「でも、昼寝に最適ってだけじゃないんだよね。」

言いざま、リンクは起き上がった。そして、レッドに目を向ける。

「気分がよくなる。そして幸せだなぁって思うんだ。」

“これはまた……。”

レッドはあまりに突拍子もない話に必死でついていこうとした。

「でも、何故幸せなんだろう?」

リンクの問いかけにレッドは一瞬動きを止める。

“…どうしよう。本格的に何が言いたいのか判らなくなってきた……。”

レッドは真剣に考えてみる。が、皆目、見当もつかない。そこで素直に問い返してみることにする。

「なんで?」

「それはね。」

リンクはとても柔らかい笑みを見せている。あぁ、このままずっと時が止まってもかまわない。なんて、レッドは勝手なことを考えてみる。

「みんながいるから。毎日が楽しいから。もちろん、そこには君も含まれている。だから、」

そこでリンクは、とびきりの笑顔を浮かべた。

「いつもありがとう。」

あぁ、先を越された。本当はそれを僕が言いに来たのに。と、思いながらも、レッドもまた、知らず知らずのうちに笑顔を浮かべていた。言われたままでは釈然としないので、レッドも言葉を口に乗せた。

「僕も君に感謝してる。いつもありがとう。」

そして、二人で笑いあった。




当たり前の日常だけど。当たり前の日常だから。なんとなく、言いたくなった。この日常が続くことを喜び、そして願う、ありがとう。


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