スマッシュブラザース

□リーダーは誰だ!?
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「ねぇ、みんな。リーダーとかってどうする?」
突然のマルスの言葉にみんなの手が止まった。が、それは一瞬のことで、
「そんなの、世界一有名な俺に決まってるじゃないか!」
と、マリオが名乗り出た。気持ち前に出ている。すると、違う所からも名乗り出る声がした。
「何を言う!速さにかけては俺だ!だからリーダーは俺だ!」
ファルコンだ。マリオとファルコンの間には火花が飛び散っている。
「足なら俺が一番だぜ?」
そこにソニックが横槍を入れた。すると、ドンキーも便乗する。
「リーダーは俺だ!力が必要だからな!」
……もはや根拠がおかしい等と指摘する人は存在しなかった。
「ボク、ボク!」
「ボクもやってみたい!」
「こらこら。」
挙げ句の果てにはカービィやゼニガメも興味本位に手を挙げ出した。ゼニガメに関してはフシギソウに引き戻されてはいたが。
「お前らな…他の奴のことを考えられなきゃ、リーダーは無理だ。」
「みんな、そんなこと言って全然だめねぇ……。私がやるわ。」
「何?」
「何だと!」
「え?」
フォックスとサムスが宣言すると、大反発された。すでにピリピリしていた空気は、瞬く間に爆発した。リーダーを巡っての言い争いが始まったのだ。
「俺だ!」
「私よ!」
「俺!」
「ボク!」
「俺がやる!」
しばらく様子を見ていたスネークとネスだったが、彼らが立ち上がったのはほぼ同時だった。
「仕方ないな。俺がやってやろう。」
「みんな、みっともないなぁ。ぼくがやるよ。」
「ダメだ!!」
見事なまでに喧嘩組の声がはもった。ネス、スネークも喧嘩に参戦し、ますます激しさを増していく。
「なんか、すごいことになっちゃってるよ……。」
傍観組のルイージがおろおろして呟いた。ファルコは一つ頷いて、どうでもよさそうに返す。
「あれはしばらく止まらないな。」
すると、アイクがマルスに向き直った。
「……どうする気だ、マルス?」
「いや……そんなこと言われても……まさかこんな大事になるなんて……。」
振られたマルスはまだ状況についてこれていなかった。
「……普通は考えないよね。」
トレーナーが同情して言った。
「こっちで勝手に決めない?あんな風に喧嘩されると少し頼りない……。」
ピットが提案した。
「少しどころじゃないわ。」
ピーチが文句を呟きながら同意した。他の人もピットの意見に賛成のようで、バラバラな所にいた人も集まってきた。
「みんなに聞きたいんだけどさぁ、誰になってほしいの?」
ヨッシーが言うと、傍観組は押し黙った。やがて、ディディがおもむろに口を開けた。
「…ぼくはやっぱドンキー。」
隣で、ファルコが肩をすくめる。そして、当然、といったように言い切った。
「フォックスだな。」
そのまま、傍観組の目は、近くにいたリュカに向いた。リュカはたじろいだが、
「……ネス。」
と、なんとか言の葉を出す。そして、今度はルイージに視線が集まった。
「僕は兄さん、かな。」
ルイージはさらっと言った。すると、ピーチがそれにうなずいた。
「私もルイージと同じよ。」
ピーチが視線を下げると、一行の視線も下がる。ピカチュウが一瞬首を傾げたが、
「トレーナー、かな。」
と無言の要請にこたえた。そのままメタナイトに発言が求められたが、
「あの中で決めろと?」
と一蹴された。隣にいたアイクは、マルスの方を見て一言。
「言い出したお前がやればいい。」
マルスがため息をついたのは言うまでもない。次にバトンが回ったのはアイスクライマーだった。
「サムス。」
とナナは答え、
「ソニック。」
とポポは答えた。珍しく意見が食い違った。そして、ゼルダにも発言が求められた。
「私はリンクが…。」
彼女は控えめに答えた。
「…ファルコンさんですね。」
無言の圧力がくる前に名を挙げるオリマー。そして、
「…スネーク…。」
とピット、
「リンク。」
とトレーナー、
「マルスだな。」
とロイがテンポよく言っていった。
「誰でもいい。」
ルカリオは、この話題に無関心を示した。
「カービィに決まってる。」
プリンの目はハートだ。最後にマルスへ視線が向いたが、
「僕は分からないから聞いたんだけど……。」
マルスは困ったように頭をかいた。しばらく沈黙がはしった。
「…みんな、見事に分かれたね……。」
一同の心情を代表して、ヨッシーが言った。
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