スマッシュブラザース

□ネスとリュカの自由研究
3ページ/10ページ


が、数分後、とぼとぼと二人は戻ってきた。
「…ダメ、みたいだね。」
落胆してリュカがつぶやいた。ネスはため息をついた。
「見事に逃げられたよね。人間だー!!逃げろー!!だってさ。…襲うわけじゃないのに。」
「それだけぼくらって恐ろしい存在なのかな…なんか、悲しいね。」
そこへロイがやってきた。
「よぉ、そんなしけたツラしてどうしたんだよ?」
「…いいね、ロイは気楽で。」
ネスに八つ当たりされて、ロイはたじろいだ。
「…なんか、ホントに機嫌悪いな……。どうしたんだよ?」
ネスはそっぽを向いた。リュカが慌てて説明した。
「あ、あのね、自由研究って宿題があって、動物たちをテーマにしたんだ。それで、動物たちに話を聞こうと行ってみたんだけど…逃げられちゃって……。」
困ったようにリュカは俯いた。
「へぇ…自由研究…そんなんあるんだな。面白そうじゃんか。」
「他人事だと思って!!大変なんだよ、自由研究!!」
のんきなロイに対してネスは食って掛かった。
「わ、悪い悪い。」
機嫌が悪いネスに余計なことはいうもんじゃないとロイは思った。
「そうだ、ロイ。なんか案ないの?」
「え?それって動物たちとしゃべるための案か?」
「当然じゃん。」
”あきらめてないんだ……!!”
リュカは目を丸くした。一方問いかけられたロイはニヤッと笑った。
「簡単じゃんか。そいつら何で逃げたんだ?」
「知らないよ。何も聞かないうちにワーッと逃げちゃったんだからさ。」
ネスはムッとして言った。ロイはがっくりしながら、なんとか持ちこたえた。
「…そこは想像しろよ…。まぁいい。お前が人間だからだよ。」
「はぁ?」
「じゃ、頑張れよ。」
言うだけ言って、ロイは去って行った。
「…何が言いたかったんだよ…。」
ロイの真意をはかりきれず、ネスはため息を吐いた。隣で、リュカが合点のいった顔をした。
「ね、ねぇ、ネス。」
「何?」
「動物に…人間以外の人に説明してもらったら?」
ネスはポカンとした。
「それってどういう………そういうことか!!」
ネスはポンと手を叩いた。
「ナイスリュカ!行こう!まずはフォックスだ!!」
ネスはリュカの手を引いて走り出した。
「は、速いよぉー!!」
リュカの叫びが響いた。


.
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ