スマッシュブラザース

□一番怖いのは…
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プルルルル……プルルルル……。ある日また、電話が鳴った。近くにいたトレーナーがそれをとった。
「もしもし、ターマス?またトーナメント?」
トレーナーは話を聞いている。しばらくして辺りを見渡した。
「あ、いた。マリオ、ターマスが話があるって。」
「俺に?」
トレーナーは頷くと、マリオに受話器を差し出した。ピットと話していたマリオだったが、トレーナーから受話器を受け取った。トレーナーと、みんなの部屋に居合わせたロイが、なんだろうと聞き耳をたてる。
「代わったぞ。…うん、うん……は?リンクが?で、何々……俺に医者をやれと?確かに資格は持ってるが…うん、……うん、…分かった。え?乱闘も?…あぁ…まぁ、その辺はテキトーにするわ。あぁ、じゃあな。」
マリオは受話器を置いた。間髪入れずにトレーナーが口を開いた。
「リンク、どうかしたの?」
「え?あぁ…何か、怪我してるらしいぞ。それで俺に治療しろって。」
「マリオ、そんなこと出来るの?」
訝しんでピットが聞いた。
「一応な。昔、医者やってたこともあるもんだから。俺の部屋の隣が空いてただろ?そこに医者に必要なものは一式そろえてあるらしい。どうやら、そこを医務室にするつもりだな。」
「で、乱闘とか言ってたが、そりゃどういう意味だ?」
ロイが興味津々といった様子で聞いた。若干、身を乗り出している。
「え?あぁ……。」
対してマリオはどうでもよさそうだった。
「なんか、ドクターマリオとして、医者スタイルで乱闘に参加することも可能だってよ。」
「お医者さんの格好で戦えるの?」
ピットが当然の問いを発した。
「ま、一応な。…と、怪我人が帰ってきたみたいだ。」
みんなは窓の外を見た。リンクが丁度帰ってきたところだった。一見、普段と様子に変わりはない。
「本当に怪我してるのか?」
ロイが疑わし気に言った。マリオは肩をすくめた。
「さぁな。が、ターマスは俺らのあずかり知らぬところで俺らの情報掴んでくるからなぁ…。逃げられる前に捕まえるか。」
マリオは部屋を出ていった。
「僕も行くよ!」
トレーナーも後を追っていった。
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