This is the end of ...

□オレが成したこと
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結局、リンクはしばらく城の客間で待機することになった。例の伝承については、城側で調査・解決に動いてくれたらしい。情報はもらえるという話だったが、あまり詳しい話は回ってこなかった。どうやら、リンクの出る幕はなかったようだ。





珍しくリンクは会議の場にいた。ギラヒムやミドナがあーだこーだ言っているのを聞き流しながら、ゼルダに目を向ける。彼女は窓の前に立ち、真剣な顔をして話を聞いていた。その様子がどうにも気になって、そのままゼルダを眺める。ゼルダはその視線に気付くこともなく話に耳を傾けている。特に不自然な様子はない。気のせいか、と思ったその時。何か嫌な力が側を通り過ぎたのを感じ取った。慌ててその力が向かった先を見ると、それはゼルダに直撃していた。
「きゃあっ!」
その力をまともに喰らったゼルダは、後ろに吹き飛ぶ。ゼルダが飛ばされた先には窓しかなく、しかもその窓は全開だった。
「ゼルダっ!!」
リンクが叫びながら手を伸ばすが、間に合うことなくゼルダの体が落ちていく――。






「――っ!!」
声にならない叫びを上げながら、リンクは目を見開いた。伸ばした手は天井に向かい、空を掴んでいた。訳も分からず、リンクはその体制のまましばらく息を荒くしていた。息がだんだんと落ち着き、開き切っていた目から力が抜ける。リンクはゆっくりと手を下ろした。そのままその手を額に持っていき、目を瞑って深呼吸をする。そして、起き上がると辺りを見渡した。ここがどこか――自身にあてがわれた客間――を理解し、リンクは一先ずホッとした。だが、胸騒ぎがする。ゼルダが無事か、確認したくなった。もう一度部屋を確認するが、誰もいなかった。見張りはどうなっているのかと思いながらも、今は好都合だとそそくさと部屋を抜け出した。


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