This is the end of ...

□墜ちた先
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「何?オレをどうする気?」
既に苦しそうだったゼルダの顔が、更に歪んだ。
“あぁ、ゼルダお願い。そんな顔をしないで。オレの為に心を痛めないで。”
リンクは心の中で叫びを上げる。だが、表向きは無表情を保った。ややあって、ゼルダが口を開く。
「あなたの返答次第です。」
リンクは眉を顰めた。
「はぁ?何を言っているの?」
酷い言い方をしている自覚はあるが、内容は本心だ。ゼルダの意図が読めなかった。
「どうしてあんなことをしたのか、教えてください。あなたのことです。きっと理由があったのですよね……?」
ゼルダはすがるような目をしていた。それを眺めながら、リンクは無表情を保つことに苦労した。
“ここで全てを話してしまえば、楽になれるだろうか。”
リンクはフッと自嘲した。
“楽になる?オレにそんなことが許されるとでも?”
「何がおかしい。」
ガノンドロフが低い声で問うた。訝しむような目をしている。思わず自嘲してしまったが、どうやらいい効果を生みそうだ。リンクはクスクス笑いながら口を開いた。
「だってさ。理由?言ってなかったっけ?どうでもよくなったんだ。この世界。だから、己の欲に忠実になって、破壊していたんだよ。」
リンクが適当に言葉を並べると、ゼルダは目に涙を浮かべた。
「リンク……!違う、絶対違う!!あなたがそんなことを考えるわけがない!」
「違う?オレの何を知ってそんなこと。」
リンクが意地悪く言うと、ゼルダは顔面蒼白になった。更にリンクは続ける。
「だけどオレ、上手く演じられていたんだね。あれさ、猫被っていたんだ。あのままの方が上手くいったのかなぁ。」
とうとう、ゼルダの瞳から大粒の涙がこぼれた。
「やめて!やめて!!リンク、お願いだからそれ以上はやめて……。」
泣き崩れるゼルダにリンクは肩をすくめた。ガノンドロフに目を向ける。
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