ソニックオリキャラ小説

□ルージュパート
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「じゃあ、ルージュ。そちらは任せたぞ。」
「えぇ。任せて。」
アタシ達はミスティックルーインの奥地にある遺跡に来ていた。GUNからの極秘任務が入ったからだ。遺跡に入り、共に来ていたシャドウと別れる。

遺跡には大したものはなかった。宝石も見つかりそうにないし…。
「あら?」
ふと壁を見上げると、そこには絵が描かれていた。
「これは何かしら……?ただの落書きにも見えるし、貴重な資料にも見えるし…。」
その時、ホバーシューズの音がした。シャドウがいつも履いているものの音だ。何かあったのかもしれない。…行っても邪魔なだけかしら?まぁいいわ。こっちにはこの壁画だかなんだか知らない絵しかないから、アタシもシャドウを追いましょう。アタシはホバーシューズの音を頼りに、走り出した。

最奥らしきところが見えてきた。あら?先客がいるようだけど…。少し離れたところで、天井にぶら下がる。先客は水色のハリモグラのようだ。…おかしいわね。ナックルズがハリモグラの末裔って話なんだけど。シャドウが滑り込んできた。ハリモグラの前で、足を止める。らしくもなく息を切らしていた。ハリモグラが顔を上げる。…ここからじゃ顔はよく見えないわね。
「……ラミナ。」
「シャドウ!」
ハリモグラがシャドウに抱き付いた。シャドウも、やっぱりらしくもなく抱き止めている。これは…様子を見ないとね。
しかし、アタシに聞き取れたのはそれくらいだった。後はシャドウが話し―途中でハリモグラは泣き崩れた―、ハリモグラが話し…という具合だ。途中、
「だけど、GUNのやったことは許されることじゃないわ!」
というハリモグラの叫びは聞こえたが。あのハリモグラはGUNに恨みでもあるのかしら?
ハリモグラが何かを話している。急に手に宝石を出現させた。あら、綺麗な宝石ね。と、今はそれどころじゃない。そして、二人はハリモグラの後方を見た。アタシもそちらに目をやる。あらあら。貴重そうな資料がぐちゃぐちゃに。そのとき、ハリモグラの目がこちらを向いた。ギクッとしたが、どうやらばれたらしい。
「ルージュ!」
シャドウに名を呼ばれた。アタシは困った顔をしているに違いない。すると、ハリモグラは何かを言うとその場から消えた。アタシはシャドウのもとに降り立った。
「それで?シャドウ、さっきのハリモグラ、一体何なの?」
「それは……説明が難しい。ところで、話はどこまで聞いていた?」
話を逸らす気ね。そんな手には乗らないわよ。
「あーら、隠すの?そんなやましい関係なわけ?」
「断じて違う!」
アタシは両手を上げて、やれやれと首を振った。これだからお堅い人は。
「それで、話はどこまで聞いていたんだ。」
同じ質問に、アタシはため息をついた。
「全っ然聞こえてないわよ、ご心配なく。聞こえたのはラミナっていう名前と、彼女がGUNに対していい思いを持っていない発言だけ。」
「そうか……。」
ホッとしたように見えるのはアタシだけかしらね。
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