-[Wonder&Shot]-


□第四話 幽霊船、又は奴隷船、あるいは食料運搬船
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***


 大きな窓の向こうは、いつもと変わらない嵐の海だった。


 それを、つまらなそうに見つめていたのは、銀の長髪を無造作に流した、男。


「ヴァル」


 窓に映る嵐が不自然に見えるほど静かな部屋に、男の呟きが響く。


 すると、何一つの音も立てることなく、その場に別の男が出現した。


「そろそろランチの時間だ」


「畏まりました」


 それきり、また部屋には静寂が満ちる。


「………」


 ふと、遠い海に雷が落ちたような気がした。
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