-[Wonder&Shot]-


□第三話 無意味且つ有意義な散策
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「アタシが来たときには、もうショットはあの宿にいたのよ」


 ワンダは、無口そうな見た目に似合わずお喋りだった。


 二人の詳しいことを教えてくれ、と頼んだら、すぐに話し始めて。


「あのころはもう、それなりに読み書きもできたんだけど、ハノイさんが言うには、来たばっかりのころは赤ん坊も同然の知能だったらしいわよ、ショット。あ、ハノイさんって女将の名前ね」


 僕らは今、旅に使うにはメジャーな舗装道路を歩いていた。


 といっても辺りは一面畑。やっぱり田舎道だ。


 ショットちゃんは、夜が明けてよく見てみたら大きな剣を背負っていて、驚いた。鞘が黒かったから、気がつかなかったんだ。


 それは彼女自身の身の丈にも相当する大きな片刃の剣で、包丁を巨大化したような形をしている。


 ……重くないのかな。


 彼女は僕とワンダが噂をしていても全くお構いなしに、


 物珍しそうに畑を見ながら歩いている。
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