♂⇔♀!?

□お昼寝
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「何をしているんだ?」
「匿い中だ。」

そう言う王の膝には見覚えのある少女の頭が乗っかっている。
少女は少女でも最近少年から少女に変化してしまった少女の方だが。

「・・・・匿うのに膝枕の必要はあるのか?」
「お前達に追い回されて疲れているんだ。少しは自粛しろ。」

顔を顰めている帽子屋を見ながら王は、自身の膝の上に乗っている真琴の頭を右手で撫で、左手では真琴の身体からずり落ちそうなローブを掛け直して言う。

「・・・随分とご執心なようで?」
「それはお前達もだろう?いや、私よりやっかいな思いを抱いているんじゃないのか?」
「・・・・。」

その瞬間。
部屋の温度が数度下がった気がした。
更に空気がピリピリしている。

「殺気を飛ばすな。真琴が起きる。」
「んっ・・・・ぉうさま?」
「真琴。眠いならまだ寝てて良いぞ?」
「んー・・・だいじょぉぶだ。・・・帽子屋?」

目を擦りながら真琴が起きる。
暫くぼーっとしていたが、ふと帽子屋が視界に入ったのか不思議そうに首を傾げる。

「おはよう。お嬢さん。お目覚めか?」
「んー・・・眠ぃ。」
「だから言っただろう。眠いなら寝てろと。」
「だって、これ以上は王様の邪魔する訳にはいかねぇし・・・。」
「なら部屋で寝ろ。食事の時間になったら起こす。」
「んー・・・。」

こくりこくりと船を漕ぎだした真琴。
そんな状態の真琴を一人にする訳にはいかない王は、ディーを呼びつけようとした。
すると横からひょいと、腕が伸びて真琴を連れ去る。

「俺が部屋まで連れて行こう。」

腕の主はやはりというか帽子屋だった。

「・・・・・手は出すなよ?」
「さぁ?」

そう言って、帽子屋は真琴を抱きかかえてその場を後にした。
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