常識クラッシャー!

□王との再会
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数々の困難を越え、真琴達は王の間へとやって来た。

「良く此処まで辿り着いたな裏切り者共よ。」
「はーちゃん・・・。」
「王様・・・。」

眉間に皺を寄せ、不快そうな顔の王を見て部下である彼等(やまねを除く)は後ろめたそうに呟く。

「・・・・・久しぶりね?ハーヴィ。」
「・・・真琴?どうしたの?」

そんな中、真琴が今まで見た事の無い様な艶やかな笑みを浮かべ、まるで女の様な口調で話しながら王の元にゆっくりと近づく。
そんな真琴を見て、アリスが不安そうに首を傾げた。

「・・・・何時の間に貴様等の身体は元に戻った?」
「・・・くす。」

口元に手を当てながら静かに笑う仕草はとても男とは思えない。
真琴の豹変ぶりに誰もが動けずに居た。

「・・・何が可笑しい?」
「いえ、だって可笑しいんですもの。どこをどう見て私達の入れ替えが元に戻ったって思ったの?」
「・・・・・。」
「まるで、ロリーナを見ているみたい?」
「!?」
「あら?図星かしら?ふふっ、そんなに似ているかしら?口調、仕草、雰囲気全てを確かに彼女に似せてみたけど結構ハマっているようね。」

とうとう王の目の前までやって来た真琴は、両手で王の頬に手を添えて顔を近づける。

「・・・・貴様は誰だ?」
「酷いわね。私の事本当に忘れてしまったの?」
「・・・っ!王っ!」
「少し静かにしていて下さる?私は彼と話をしているの。犬は犬らしく主人のそばで大人しくしてなさいな。」
「・・・っ!?」

カカカカカッ!
いつの間にかディーは壁に数十本のナイフで磔にされていた。
そのナイフを投げたであろう、張本人は冷めた眼でディーを見つめていた。

「相変わらずお前は忠犬ではなく駄犬の様ね?」
「・・・まさか、貴女は”マコ”っ!」
「あら?ハーヴィ、そこの犬の方がよっぽど記憶力が良いみたいだわ!」
「・・・・・私の記憶が正しければマコは女だった気がしたが、何時から性別を変えたんだ?」
「私は最初から自分が”女”だなんて一言も言っていないわよ?」
「・・・・そうだったな。」
「で?ハーヴィ。俺とアリスに何か言う事は無いか?」

いきなり真琴は何時もの口調に戻る。

「久しぶりだな。二人共。」
「・・・久しぶり?」
「ああ、アリスは記憶が無いから覚えてねぇか。」
「え?」
「俺達は十歳の時にこの世界に来て、元の世界に帰ったんだよ。」
「うそ!?」
「まぁ、後でじっくり説明してやるからちょっといい子にな?」

ふっと、まるで愛しい者を見る様な眼でアリスを見つめて微笑む。
その表情にアリス以外の人間も思わず顔を赤らめた。

「でだ。ハーヴィ。ロリーナは何処に居る?」
「・・・・・帰った。」
「そうか。大体把握した。お前馬鹿だろ?」
「なっ!?」
「大方ロリーナにでも惚れて良い様に遊ばれてそれに気づかず愛する人の元に行く為だ何だと言って世界を壊して俺達の世界に行こうとでもしてモンスターを暴れさせてたんだろ?」

ノンブレスで王の考えを予想する真琴。
その内容を聞いた白ウサギ達の顔が引き攣る。

「何故それを!?」
「あたりかよ。相変わらず学習能力ねぇな。お前。」
「うっ五月蝿い!」
「はぁ、諦めろ。お前にロリーナは手に負えない。なんせあいつは見た目は極上だが中身は色んな意味で残念で最低だ。」
「お前に彼女の何が分かる!?」
「お互い腹の探り合いをする仲で一応婚約者だ。」
「「「「「「「「Σはぁ!?」」」」」」」
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