駄文

□お酒はハタチになってから。
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「かはっ…ちっとは手加減してくれよ‥っ‥で、何にする?これなんかお勧めだぜ?カル-アミルク。あとbetween the sheetとか。甘くて呑みやすいし…ジン トニックもすっきりしてて旨いし。あ、コレなんか雲雀にピッタリなのな。カミカゼだって。」


山本が、腹を擦りながらさっきよりも数倍イキイキとアルコールの説明を始めた。

中学生でコレなのだから、きっと大人になったら素晴らしい酒飲みになるんだろうと雲雀が考えていると、山本は雲雀がまだ承諾していないことなど一切構わず、気付けば注文は終了していて、すぐに目の前には薄いブラウンの液体が入ったグラスが運ばれる。
まるでミルクティーのようなソレは、近付ければ甘い香りがふわんと鼻をついた。


「…何コレ。」

「カル-アミルク。絶対旨いから飲んでみ?」


キッと睨んでも一切動じず、笑顔でグラスを差し出す彼には、下手に逆らうのは得策ではないので、仕方なく黙ってグラスを口に運んだ。

その素直な選択に満足したのか、山本は上機嫌でつまみを口に運びながら、手元の日本酒を口に運ぶ。

ここまで日本酒の似合う中学生も珍しいと、不意に見とれてしまった自分に自己嫌悪した雲雀は、グラスを一気に飲み干した。


「…美味しい」


色々と不平不満はあるものの、このカクテルが美味しいというなは事実で、カクテルには何の罪も無いので、素直にその味の良さを認めることにした雲雀は、思いの他この味が気に入ったらしく、山本が上機嫌で酒盛りをしている間に注文しては呑みの繰り返しで、山本が気付いた頃にはすでに7杯目。

カル-アミルクと言えば、いくら呑みやすいとは言えアルコールはキツい方で、一部では女性を酔わせてお持ち帰りする為のカクテルと言われる程だ。

下手すれば、7杯も呑めば倒れてもおかしくない。

「あのー、雲雀さーん…?そんなに呑んで大丈夫か?まぁいつもと大して変わんねぇし、今んとこ大丈夫なんだろうけど…」


山本が、やっぱり風紀で酒なんかも呑むのかな、と思った矢先のこと。

普段ならまず有り得ないだろう、山本の肩にコテンともたれて来る雲雀が居た。


「なっ…雲雀?!えっ、何‥」


騒いでも噛み殺されない。

これは本当に夢ではないだろうか。

ていうか

襲ってもいいですか?




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