捧げもの!

□5000hit企画
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鬼不(♀)

暴走ブレイク


鬼道有人、不動明王
付き合い始めて一週間目
まったくもって進展しない二人に鬼道の妹、音無春奈はイライラしていた。
周りのみんなもその苛立ちは伝わっていたが、何も聞かなかった。
いや、聞けなかった。
そもそも、中学生で付き合い立てで何かしらあるっているのがおかしい。
付き合って一週間で何かあったらこっちが、びっくりだ。

「なんで、キスの一つもしないんですか!!」

「いやいや、いきなりそこまで発展しないだろ」

風丸がとうとうツッコミを入れた。
だが、突っ込みを入れたのが間違いだった。
ここでの対処は無視すること。
可哀想という意見もあるが、だが、話しかける事で暴走している春奈を止めるどころか火に油、燃え上がってしまう。

「風丸さん!古い!!古いです!!一週間なんてキスの一つや二つしているもんです!!だいたい、同人では付き合う前に、とっととやってしまうものだってあるんですよ!!」

やるって何をだ。
なにを
と、思ったが突っ込んだらいけない…
コメントもしてもいけない。

「こうなったら…風丸さんも手伝ってください!!」

「はっ?」

「そうだ!佐久間さんと秋先輩も手伝ってくださいね!!」

「えっ?」

「ねっ!?」

「あ…あぁ…わかった……」

有無を言わせない迫力に逆らうことはできなかった。












「あのさ…鬼道…」

「どうした?不動」

「……なんでもねーよ…バーカ」

「ふっ…」

ほのかに甘い空気が流れる。
遠くからもそれが伝わる。
ちなみに、ここはグラウンドのベンチ
フィールドを見れば円堂達が練習をしている。
円堂以外は見ないようにしている。
ヒロトは邪魔しないように、円堂は気にしていないというか、その空気がわからない。
綱海でも気がついているというのに…
そのほかは集中力が欠けないように必死で練習をしている。
問題の二人はもちろん気がついていない。
この状態が精一杯なのだ。
不動も鬼道もお互いが初めての恋人だ。
不動は顔は綺麗なのだが、性格で逃げられる。(不動は気にしていない)
鬼道はサッカーやら妹の事やらなんやらでそれどころじゃなかった。
そして、ゴーグルをつけたことにより、さらにそんな機会を失ってしまった。
そんな二人がようやく出来た恋人に、お互いどうしたらいいかわからないのだ、

「あーもう!!じれったい!!」

隣のベンチから春奈は小声で言った。
秋は苦笑して、冬花は話がわかってないので?マークを浮かべていた。
監督はそんなこと気にしていないようで、選手たちを見ていた。

「なぁ…佐久間……本当にやらないといけないのか?」

「……春奈さんを止められるならやらなくてもいいかもな」

「無理だな」

風丸はあきらめたのか、ボールに集中した。
そんな風丸を見て、佐久間もあきらめていたのか一緒に練習を始めた。
二人が頭を痛める時まであと2時間…





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