ライフル

□ライフル 04
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おもちゃ箱は膨れ上がる。


玩具は内容量を超え、はみ出はじめ、零れて、どこかへ落ちる。

いつしか忘れられて思い出される日も少なくなり、存在そのもの、記憶から削除され、消えていく。まるでなかったかのように。

もしくは、途中で壊れる。
自らの状態に見合っていない衝撃、または年数を重ねたために、欠片は何処かへと消え、部品を補えないままずっと居る。そして、壊れる。足りないから。


しかしながら日々おもちゃ箱の中身は増え続け、いつだったかその中を飛び出した。


望まれた状況で居る玩具とは違う、そのために飛び出した玩具は歪みを生じさせる。



「――だから放棄をした。」


そう、例えば。

例えば、自分のいないところへ。




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